よい入れ歯とは
入れ歯は異物?臓器の一部?
入れ歯そのものは技工物であり、人間にとっては異物にほかなりません。人間は基本的に生体に害を及ぼすものに対しては異物排除の機能を持っています。
ただ、入れ歯は生体に害を及ぼすバイ菌などとは違いますから、自分に必要なものだとして使用することで自然となじんできます。いかに入れ歯をかわいがってやれるかが最も大切なことと考えています。
- 痛くない
入れ歯を入れる時ぎくしゃくしないでスムーズに入り、口の中でこぢんまりと収まる。痛みのない収まりのよい状態がまず上げられます。
- 違和感が少ない
入れ歯を始めて装着した時にはどなたでも違和感を感じます。それでも、入れ歯を入れた時に口の中で落ち着きがある。ちょうど茶筒の蓋をしめた時にすーっと吸い付くように収まるような感覚です。入れ歯の底と口の中の床がマッチしていれば自然と違和感は薄らぎます。
- 噛み合わせがよい
人間は上下の歯を咬み合わせようとした時に、必ず全ての歯が平均してあたることを求めています。すなわち上下の歯の調和です。噛み合わせがわるく1本または数本の歯だけがあたっている状態は、ちょうどつま先立ちをしているようなものです。つまり一部分に余分な力がかかっている状態です。つま先立ちの状態からかかとをつけて初めて安定感、安心感、満足感が得られます。それが人間本来の生体としてのあるべき姿を求める元来の性質です。
その余分な力が加わった歯には、様々な障害が生じます。骨が溶けたり、歯がずれたり、そのままの状態にしておくとやがて歯周病になってしまいます。
入れ歯の場合には、その一部の歯にかかった負担は入れ歯全体に及びます。その負担は入れ歯全体に力がかかり歯槽堤(歯が抜けてしまったあとの土手のようになった部分)にも障害が起こります。一部にかかった大きな力は歯の骨を溶かしてしまうことにもなります。
- 審美的である
入れ歯はワイヤーがあったり見た目が気になるものです。正面から見て目立つ部分は針金を隠したり細くすることで、出来るだけ目立たないようにすることが大切と考えます。
- 発音に支障が少ない
入れ歯を入れると発音がしにくくなる場合があります。しかし、お口にあった適切な入れ歯であれば徐々に慣れます。
入れ歯の患者学 目白若林歯科歯周病研究所 03-3954-6681 |
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