入れ歯の患者学

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−入れ歯の患者学主催者−

歯周病の治療に関しては
目白若林歯科 歯周病研究所

歯を失う原因

歯を失う最も多い原因は、歯周病虫歯です。
その他の歯を失う原因としては、事故や矯正歯科の治療において抜歯をするケースがあります。特に50才代になると80%強の方は歯周病によって歯を失っています。虫歯ですべての歯を失ってしますことは稀ですから、総入れ歯の方は大部分が歯周病によるものです。

歯周病は骨を失う病気で虫歯は歯を失う病気です

虫歯で歯を失った場合には入れ歯を入れるための歯槽堤はしっかりしていますが、歯周病で骨を失った歯槽堤はどうしてもやせ細ってしまいます。そこで入れ歯を入れる前に造骨ということも考えられますが、入れ歯を噛んだことによって造骨された部分は変形しやすくなります。

そのように歯周病で歯を失うと骨が溶けて土台が弱くなっているわけですから、よい入れ歯を作ることも困難になります。また、歯周病の場合は、1本だけでなく数本またはすべての歯が歯周病になっている場合もあります。気づかないうちに歯周病になって歯を失わないように早めに検診を受けて、お口の中の健康を維持しましょう。

歯を失わないためにどうしたらよいか

日本は、人口の3分の2が65歳以上という高齢化社会をむかえつつあります。それに伴い、国民が歯を失う確率も高くなることが予想されます。私の臨床実験として、歯を失った数が少ない人は健康な生活を営み、反対に歯を失った数の多い人は、残念ながら不健康な生活を送ることを余儀なくされているように感じられます。このことからも、健康な人生を過ごす上で歯が大切であることがおわかりいただけると思います。

歯はものを噛むことにより消化を助けるだけでなく、顎、顔の骨や筋肉の発達と維持のために必要な組織です。そして食事をすることは、毎日の生活、プライベートやビジネスの場でも欠かすことのできない習慣です。さらに高齢者にとっては、食べることは大きな生き甲斐のひとつとなっています。
食べる、噛むということは人間の生まれついてからの本能です。物を噛みたいという欲求を咀嚼欲といいますが、その咀嚼欲を失ったとしたら生体にどのような影響が及ぶでしょうか。生体を維持することは、栄養十分な親指大の丸薬と濃縮ジュースで可能であると言われています。しかしそれだけでは人間本来の願望である「物を噛みたい」「美味しく味わいたい」そして「満腹感を得たい」という本能を満足させることができず、心理的、精神的な「欲求不満」に陥ってしまうはずです。
近年、歯周病と虫歯に対する治療技術は大きく進歩しました。とくに歯周病については適切な治療後の管理により健康な状態を長期にわたり維持できるようになりました。しかしそのためには、歯周病治療についての正しい知識を得ることが大切です。

楽しい食生活こそ、豊かな人生を送るための必須条件です。「歯ごたえ」は物を噛むことにより感じることができます。「味文化」「お袋の味」という言葉が示すように、日本には食事や味に根ざした古くからの誇るべき文化や伝統があります。
「口の中に生えてきたすべての歯は、他の臓器とともに生涯機能し続けるものである」という点をご認識いただき、今後、お口の健康に留意され末永く食生活を楽しまれると共に、健康で豊かな人生を自ら勝ち取っていただきたいと願っています。

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